その1〜10
From Master

師匠のひとりごと

バックナンバー(その11〜)


その11 スパットを『見る』と『眺める』の違い! H12,5,11

その12 投球時の呼吸法 H12,6,5

その13 チーム戦とは 〜ボウリングの本当の楽しみ方〜 H12,8,29

その14 アプローチでの投球順について H12,12,29

その15 曲がりにこだわる3 H13,5,14

その16 曲がりにこだわる4 H13,10,7

その17 回転にこだわる H13,10,7


 
その11 H12,5,11

スパットを『見る』と『眺める』の違い!

 多くの人が見よう見真似でまたいろいろな上級者の話を聞いてスパットボウリングをされていると思います。何故スパットボウリングにしているのか?何かいいことがあるからそうされているのだと思います。では何が良いところなのかを考えてみましょう。

 ファウルラインからヘッドピンまでの距離が60フィート(約18メートル)あります。15ポンド(6.5キロ)の重いボールをそんなに遠い目標へ強く当てようとすると力んでしまいますし、コントロールもつきにくいのは道理です。
 そこで、エイムスパットがその4分の1の距離に規則的にレーン上に並べて書いてあるのを利用しようと言うことなのです。一定にアプローチを歩くこと自体が難しいのですが歩く方向の決定にしてもただ漠然と歩き出そうとすると、すでに投げる方向を決定するその出発点が違ってきますし、しっかりと目標であるスパットを見てボールを運んで行く心がけが大切です。その時に皆さんは『そんなことはあたりまえだ』と思われるかもしれませんが、果たしてそうでしょうか?自分が投げたボールの軌道が投げ終わってアプローチから降りてきたときにはっきりと覚えているかどうか、どういう風にスパットに対してボールの軌道が狙ったスパットにちゃんと通ったのかずれたのか、出て行ったのか真っ直ぐなのかクロスなのか。これが意外とおぼえていないことが多いものなのです。

 つまり、しっかり『見ているつもり』だけで実際には『眺めている』に過ぎないのです。逆にこれを実践して確実にスパットを見ることが出来ればコントロールと共にスコアアップ間違いなしです。アプローチから降りた瞬間には自分の投球には責任上(笑)自分ぐらいはしっかりと軌道を覚えておいてやりましょう!ちなみに僕のレベルでは例えば10回投げてその全投球がポケットを突いている時でさえおよそ75〜80%ぐらいの確率でしたから、自分でしっかりとスパットを見ることが出来る確率が95%〜100%に限りなく近づいて行ければもっと上手になれるかなと密かに期待しているのです。(でも、ついつい雑念が入るのですよね!)

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その12 H12,6,5

投球時の呼吸法

 一旦考え出すと結構難しいのが呼吸法です。集中した一瞬の力をかける時には呼吸を止めることになるのです。例えば、重量挙げや、投てきの種目で砲丸投げ、槍投げ、ハンマー投げなど。これらの種目では強い力を一瞬に出さなければならず漠然とした呼吸ではおそらく力を発揮することは出来ないと思われます。

 先ごろ、BM誌には某プロは、呼吸を吐きながら投げると記載されていましたがボクには無理です。あくまで、自分本位なひとりごとですから、人様のことはわかりません。強いリフトを心がけている自分ですからリリース時には軸足も止めてしっかり踏ん張って投げる意識をもっていますから、呼吸法もおのずとしっかりと投げる瞬間には止めています。具体的にはどうしているのか。僕の自分流を披露しておきましょう。

 まず、アプローチに上がる時からが呼吸法の始まりです。僕のスタンディングポジションは前のスタンスドットに靴の先を合わせる位置ですからだいたいアプローチの縁からそこまでに4歩かかります。右足始動ですから5歩目に正確なスタンディングポジションに合わせます。この時に息を自分の意識のうちで肺の中の8割ほどをはいてアドレスに入ります。構えながらゆっくりと吸い込みながら吸い込み量も8割程度にて止めてアドレス完了です。〈備考:肺活量と言うのは肺の中に入る全ての容量ではなくその約20%は吐ききれない部分があるのです。ですからその分は勘定に入れないで下さい。〉ここで僕の場合5歩助走ですがその1歩目にプッシュアウェイするタイミングですので吸い込んだ息の半分ぐらいを吐きながらこの1歩目を完了するのです。そのあとのリリースまでの2〜5歩目までは、無呼吸で一気に投げきると言う要領です。

 奈良県のユース代表(ミギティ)のT本H樹クンはあれだけの実力成績を残しているにもかかわらずこの呼吸法で悩んでいるとの事です。呼吸法と言うものは、健康と結びつくと言われていますが、これもスムーズな呼吸を自分の動きに合わせて行ける事が全ての行動にも生かされるのではないでしょうか。太極拳はその壮大な動きを全て呼吸法に則って行うと言います。武道の攻めと守りの動きの中にも見つけることが出来るわけです。責められる時に息を吸っていると言うのは一番弱いのです。すばやく吸い込んで吐きながら息を絞ることで体中の筋肉に緊張を保とうとしている、相手の攻撃から身を守ろうとしているのです。あまりボウリングとは関係ないかも分かりませんが、自然な呼吸法をすることで楽なスタンスで投球を出来ることに繋がりはしないでしょうか。皆さんも心掛けてみて下さい。

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その13 H12,8,29

チーム戦とは 〜ボウリングの本当の楽しみ方〜

 個人の力ではいかんせん入賞できない選手もチーム戦では本来の実力のある選手の組んだチームを抑えて勝つことが出来るのです。

 チーム戦と言っても個人の点数の積み重ねなのですから、ただ漠然と投げていてはかないません。いつもの実力をそれ以上に出すことの出来る状況にしなければいけないのです。強いチームは必ずそれぞれの持ち場を把握してゲームを進行しています。個人のアベレージはチームメート同士分かっているのですからメンバー各位の序列があるのですが、本番の時のそれは時として関係無いことがあります。レンコンの合っている者、調子に乗って普段以上にスコアが出ている者、スペア率が極端に低い者や浮き足立っている者。試合の中でもそれは入れ替わります。勝つために組んだ意欲のある選手たちには必ず辛抱していればチャンスが訪れるのです。ただ、来ていても気が付かなかったり、自分で逃がしていることが多いようです。個人戦でも山場 (ここを乗り切れば勝てるかも。という瞬間)をなんとなく感じたことがあると思います。

 それは、チームの人数が多いほど、分かり難いのですが、その瞬間をうまく乗り切ったチームは勝って行くのです。対戦相手が見えるときと、どこと競っているのかが分からない時があります。対戦相手がいればその相手がへこんだ瞬間のがんばりが一番堪えるでしょうし、最も勝利への効果のある攻めでしょう。ですが、開催規模の大きな選手数の多い大会ですとある程度上位にいることが分かっていてもどのぐらいの勝負なのか気が付かないで進行することでしょう。それはそれでいいのです。実力のあるチームが底力を出されたときにはその上を行くことは至難の技ですが、僕らは、負けて元々と思っていますから余計なプレッシャーは勝てるかもしれないなんて大それた考えが脳裏を過るからなのです。「へたくそ」に徹していいかっこうしないでひたすら今日、今迄やってきた通りをくりかえすだけ。個人個人は変なことは考えずに、チームの一丸となった雰囲気を思いっきり楽しむこと。ボウリングをしていて楽しい瞬間とはこういう時ではないのでしょうか。そうすれば自ずと結果はついてくるでしょし、残念ながら入賞を逃しても、次に繋がると信じています。

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その14 H12,12,29

アプローチでの投球順について

 たいがいの本やマナーが書かれているところでは単純に「同時にレーンに上がろうとした時には右側の人が優先です」としか説明がなく、それなら、同時になるたびに右側優先で試合が進行すると、試合終了時点では数字の大きい側のレーンの方が先に終わり、左側の方(レーンナンバーの小さい方)で投げている選手が必ず遅くなるでしょう?

 現行の京都府や関西で行われている大会ではそういう事になっていないのは中には強引に横を見ないで先に行ってしまう選手がいたり逆に「どうぞどうぞ・・・」と、譲り癖がついている選手が取り混ざっているために器用におさまっているだけだと思っています。実際、JBCでは、『1レーン置いた隣のレーンでは投球準備をしないと遅滞警告を出す。繰り返し遅滞行為が行われた場合には、そのフレームの点数を「0」にする』と正式ルールブックには掲載されていますが、本来そういうものではないと思います。隣同士での同時投球は危険が伴いますから当然いけません。JBCの推奨される(?)1レーン置いた選手が同時に投げるのは、どうでしょうか?名人であれば、集中して横の選手が何をしようが平気で投げる事が出来るでしょうが集中力が散漫だと言われればそれまでですが、正直に言うと僕は視野に入ってしまい投げにくいです。勝負の一投には必要以上に気をつけて投げたいと思っていますから余計な神経を使うことになることは避けたいと思っています。では、一体どういう形が理想的なのか?それをお話しましょう。

 仮に、レーンナンバーを自分の左のBOXからA、B、自分のBOXがC、D、右のBOXがE、Fとします。自分がDで投球します。ここで自分のBOXからは絶対に連続して投球することはありません。ですから、次はAorBかEorFです。左右のBOXの選手が各一人ずつ投球しましたら自BOXのCが投球します。その直後のDはだめですから、左右の先ほど投げたレーンと反対側の選手が投球した後、自分(D)の投球と言う具合です。

凡例>D→A→F→C→B→E、C→A→E→D→B→F等。

 又、それぞれA、BのBOXとE、FのBOXは、D、EのBOXと同様にBOX単位で左右をやり過ごしてから自分のBOXの投球順と言う大原則を守って進めば必ずスムーズなゲーム進行を楽しめること請合います。自分のBOXか隣のBOXかどちらが先なのかの目安は、スイーパーの動きです。上がりが早かったBOXが先に投げる順番となっていることが多いですから、参考にしてください。変な間を作ったりしないで(隣でスプリットが出ているから待つ等)自分の投球順を的確に守って進んで行けば、自分もチームメイトもいいリズムを作れるでしょう。でも、多くのチームメイトと組んで練習する時には、わざと1レーン置きで同時に投げる練習をする事も必要かも知れません。その1レーン置きで投げなさいと言うJBCの奨励がある限り、勝負の懸かった場面でつぶしにかかって来るチームはわざと同時に投げてくる事もあるのです。 (逆も真なりです!)

いろんな駆け引きがありますからその対応も出来るようにしているつもりです。たまたまか、意図的か、どちらにしても、同時に立たれて怒っている人がありますが、僕に言わせればボウリングの技術どうこうよりも、人間の格が低い(笑)と思います。本当に投げにくければ、怒ってしまわずに、きっちりと話するべきでしょうし、根本的なBOX単位の投球順を遵守しているのか、自分がきっちりとしていれば、相手にも説得力があるでしょう。すべてのボウラーがこのマナーを守ってプレイできる大会ならきっと楽しいと思います。


 
その15 H13,5,14

曲がりにこだわる3

 僕のボウリングをよく、光栄ながら「パーカーボーン3世」のようだと言われる事があります。PBAでナンバーワンの彼と比較していただけるだけでも嬉しくて、その言葉に「それなら、本物のパーカーボーン3世と一緒のレンコンで同じ投球が出来る物なのか、一度でいいからやってみたい。」と心から考えるようになりました。

 北海道の高橋浩一さんの声かけで全国的に展開し始めたプロアマを超えたレフティ集団である「LEX:Lefty Bowlers Club」が出来上がり、また日本で唯一のボウリング雑誌である「ボウリングマガジン」の後援にこぎつけて、少数のボウラーの中ではLEXの知名度も上ってきたようです。北海道で2度、京都と新潟で各1回の合計4回の開催を見て、いよいよ、秋には全国大会を開催しようという所までやってきました。
 そこへ、パーカーボーン3世を呼んで一緒に投げてもらうプランも高橋さんの頭の中にはあるようです。実行できるか否かは別としても、いい夢ではありませんか。ボウリングを続けてきて、このLEXの仲間と知り合えた事が、僕にとって本当に過渡期だったと思っています。「ひだりごろし」(師匠のひとりごと その5参照)にあったり、スランプで相談する人がいなかったりで何度か止めてしまおうかと考えてきましたが、踏みとどまったのは、LEXの仲間が日本中でボウリングしている心強さで支えられたのです。その高橋さんは全日本大会で2連覇をされ本来なら僕のようなレベルの選手が語る事は出来ないのです。

 今年の3月には、東京品川プリンスホテルボウリングセンターでその大会が開催されたのですが、その一年前より「打倒高橋」を銘にセンターのレンコンを考慮して曲がりを抑えてひたすらに練習を積み重ねて準備していったのですが、結果は惨敗でした。 僕なりに考えるといろいろと理由はありましたが、結論として、中途半端な自分を抑えたボウリングで失敗するぐらいならば、元々の自分の持ち味である曲がりを追及するべきだと決心したのです。今まで、お手本とする実際に見る事が出来るレフティボウラーがいなかったので、VTRで「PBIII」を見てきましたが、4月より曲がりを追求しだしてからは、そのVTRの選手を「ジェイソンカウチ」に変更したのです。コンスタントに勝ちつづける「PBIII」は凄いのですが、点数と勝ち負けを超えたボウリングを見せてくれる「JC」、彼のスタイルは、僕の「点数は置いといて、一緒に投げている選手や見ている観衆が喜んでもらえたらいい。」という考えに似ているのかと勝手に思い込んで更に曲がりを深く取るライン取りに嵌っています。今までのピンアクションとは違う、深い曲がりを取らなければ見る事が出来なかったピンの飛びがあるのです。レンコンに合えば即ビッグゲームに繋がります。その反面、合わなければ即ローゲームです。これまでも曲がりを取ってゲームをスタートして、ラインが取りにくいと思ったら早い時期に曲がりを抑える投げ方を選択してしまいスコアメークに努めていましたが、今はとことん曲がりを取りつづけて遅いレンコンや外早で投げ辛い時にも曲げる投げ方で何処まで対処できるか試しています。もうだめかと思いかけている時にいろいろと試していると活路が開ける時もあるのですよ。
 まだまだ、ディープインサイドレフティとしては、初心者ですから謙虚に点数が悪くても腐らずにがんばってみたいのです。数ヶ月はこのスタイルを継続して人に真似の出来ない〈出来ても数少ない〉ビジュアル系(顔形じゃなくてボウリングスタイル)のボウラーを目指して行きたいと思っています。

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その16 H13,10,7

曲がりにこだわる4

 ボールの新発売される時の傾向として曲がりのポテンシャルは増して行くばかりです。曲がりはないよりはあった方がいいのは間違いないところですが、無理に曲げようとするとコントロールを失いがちになるという問題が発生してきます。『曲げたいが、コントロールも失いたくない。』誰もが思う事です。

 さて、コンスタントにストライクを出すために必要なポケット入射角とは、何度ぐらいなのでしょう?Brunswick社のデータによりますと、2.5°〜5.5°ということです。右利きの選手がストレートボールの場合、ファウルラインの位置で0枚目から5枚目のスパットの右に少しかかるぐらいのラインでポケットをつく事が出来るわけですが、この最大限のクロスラインでなされる角度がわずか1.5°ですので、隣のレーンから投げないと角度が不足するのです。ですから、ストライクが出る入射角を得るためには、曲がりが必要となるのです。漠然と曲がりというとビギナーの方は、『廻せば良い』と思われている方が多いようです。コマの様にぐるぐると勢い良く回れば凄い曲がりが出ると、また、自分の投げ方では、回転を与えても少ないのでまがらないと、思い込んでおられるのではないでしょうか?実は、コマのような横回転では、ボールの曲がりには、即繋がるわけではないのです。スピナ―ロールと呼ばれる回転方向では、有効なサイドローテーションではないので、スピードコントロールで上手く曲がりの出る速さで投げるテクニックが必要なのです。遅いコンディションでは滑らし気味に早い球速で、早いコンディションでは遅い球速で曲がりが出るところまで速度を抑えます。この投法は、僕には出来ません。

 では、どうすれば有効なサイドローテーションを得る投げ方が出来るのでしょうか?前回までにも掲載してまいりましたが、カップドリストと言われる手首を内捻してボールを抱え込むようにしてリリースする事が必要なのです。回転方向で一番曲がる方向として有効なのは、レーン上にボールを置いたとして考えた場合、ピン方向と直角に廻す事が出来れば最大であるのです。実際には無理ですし、もしもこの回転を与えた投球が出来たとしてもレンコンに左右される事になるのです。(オイルが切れたところで鋭く曲がりが出すぎてしまうので。)イメージとしては、右利きの方では、リリースの時、足首の横にボールが到着した時点でフィンガーの先が、ボールの中心より出来るだけ下で左側に位置できるように、人差し指が、ボールの真下に入り込むようになっていることです。インサイドアウトのスイングと言う事が昨今言われていますが、このリリースが出来る人は、必ずこのスイングをしておられます。と言うよりも、インサイドアウトにならないと回転が出せないのです。強い回転を出そうと練習をする事がすなわち脇が締まることになるわけで脇を締めるだけの練習は、僕には無意味に思われます。ただし、ショートオイルのレンコンや自分で曲がりが不安定だとの感覚を持つ時には、この投法はお奨めできませんが、クラウンパターンのレンコンでは、非常に幅広くラインを取れるのでハイスコアが望めます。

 ここで、僕の弟の投球を例にとって考えてみます。元々、曲がりの少なかったタイプですので、潜在的に廻したい意識があるようです。大方の選手がそうであるのですが、頭では人差し指を下に持ってゆくリリースをしようとしているのですが、廻そうとする意識が早くターンを始めてしまうことになり、親指の抜けを遅らせて、予想ラインよりインスパットしてしまう事になる。それを修正する行動として、スイングライン上よりもリリースの瞬間に外へ振り抜いて行く。時折、上手く早期のターンを抑えてリリースできると極端なアウトスパットとなってワッシャ―のコースへ行ってしまう。こういう悪循環になるようです。トニオ君も往々にしてこの傾向が強く、僕に弟子入り(笑)した当初より、他の問題はかなり解決をみてきましたが、コントロールが良くなり切らないのは、同様の原因があるからだと考えられます。ふたりとも、上手なボウラーではありますが、京都府レベルで勝ちきれないのは、同じ形が続けられない事にあると思います。

 それでは、解決法はどうすればいいのか?本当に、『回そう』と言う意識をもたなくてもボールが『曲がる』事を体得しなければならないのです。ブロークンリストにならなければ、人差し指をボールの下に持って来ようとする意識を持ち続けて振りぬく事が出来れば、ボールを持っている手は、勝手に、ターンしなければリリースできない状況になっているはずなので、意識的に『廻そう』としなくても充分なサイドローテーションが取れる事になるのです。結局、ターンするタイミングの問題にもなるのですが、親指抜くのではなくてカップドリストにて抜ける状況にしておいて、ターンする時期を出来る限り遅らせる事になるのではないでしょうか?バックスイングのトップからダウンスイングに降ろして来たときに既にターンが始まっていると、フィンガーのリフトワークで引き起こされるサイドローテーションは、著しく減少してしまいます。じわっと回りそうになる手首を辛抱する事 が、強い回転を与える事になると僕は考えています。

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その17 H13,10,7

回転にこだわる

 曲がりを充分に取ろうとして膨らましてアウトサイドへ(5枚目くらい)投球すると、今までその内側に投球していたときには、ポケットに還ってきていた球道が、急に戻りが悪かったり、延びてガターしてしまったりするようなレンコンに出会った事がありませんか。10枚目付近のちょい出だしぐらいでは、厚めかヘッドピンオーバーしてしまう時に、曲がりの度合いを変えずに攻めようとするとラインが取れなくなる場合の対処法です。そうしたら「回転にこだわれない」のではないかと、思われるかもしれませんね。最後まで読んでください。 曲がりを抑える投球として平たく言うと、リフトワークを緩めにして回転(特にサイドローテーション)を少なくしてスピードを早くしてぶん投げる感じで・・・。という選手が多いと思います。スコアが低くても戦える時には、これで充分だと思いますが、滑らして上手に投げる選手が高得点を打ってくる時には、ぶん投げでは勝負になりません。ポケットを付く時に充分とは言えないまでも角度を取り、ピンに負けないだけの回転力を持ったボールを投球するためには、一体どうしたら良いのでしょうか? 自分のもち球(球質)が合わないときには、諦めなければいけないときもあると思います。悔しいけれども僕の場合実力が無いので、実際にあるのです。色々なバージョンを駆使してみるのですが、どうしてもポケットを付きつづける事が出来ない、ついてもタップを連発してしまう。そういうときは、現実に存在する事を踏まえた上でお話いたします。

 平成13年11月3日(土・祝) 『ABS杯関東レフティ大会』レーンによっては、アウトサイドまで出して戻してのラインを取る事が出来る事もありました。使用レーンは1〜40番。比較的右よりの方が、アウトサイドの信頼感はあったように思いました。上位5名の進出者の内、僕の見立てでは、優勝の広島選手(新潟)、準優勝の高橋選手(北海道)、三位の宮澤選手、四位の田崎選手(北海道)、五位の沖本選手は、それぞれ似ているようで球質は違っていました。ローリングトラックの種別で言うと、アウトフル系の宮澤、高橋選手、セミロール系の広島、田崎選手、スピナー系の沖本選手と言う具合でしょうか。各選手ともまじかで決勝ステップラダー戦を見る事が出来ましたので、慎重にそれぞれの選手の本大会での投球を独自に解説してみます。 全員にいえることは、「アウトサイドの5枚目付近には、出して行かない。」(クロスは、可。) 高橋選手は、相当奥の(50フィート位)の時点まで7〜8枚目を走らせて鋭くフックさせていましたが、それでも、クロスで攻めておられました。沖本選手は、20枚目付近のスパットから14・15枚目くらいまででとめる感じで滑らせて投球しておられました。これが両極で他の選手は、その間でした。

 レフティ独特のアウトサイド張り付きで、5枚目前後のスパットを使用しながら、走らせて奥で戻すライン取りでポケットを付く事が出来ると、前記の高橋選手のようにアジャスト出来た瞬間からストライクを連発できるのですが、これは、相当高等技術でややロフト気味にリフト方向もわずかにサイドローテーションを取る程度でファウルラインより50センチほど前に(転がすのではなく)投げるのです。ただし、ボールは正回転をするように、ブロークンリストになってはいけません。大体レフティの使う板目でこのラインは一番オイルもボールにより取られて薄くなっているところですから、曲がるのは間違いないラインです。ですから、ここを使うためには曲げてはいけないのです。でも、わずかにサイドローテーションは必要でその微妙な感覚が必要なのです。これが、僕には出来ません。沖本選手は、スピナー系ではありますが、回転数もそう多くなく、中のオイルゾーンを上手に滑らせて厚めのポケットに持ってゆくボウリングでした。田崎選手は、綺麗なセミロールで適度に曲がりを奥へ送り込むような感じで10枚目付近をやや出し加減に投球されていました。優勝の広島選手は、スピードで曲がりを抑えておられて12、3枚目を滑らせながらポケットの厚めにボールを集めてストライクを量産されていました。タイトな(板目をあまり使わない)ライン取りですから若干膨れ加減でも遅いところに掛かるので出し戻しが利き、スピード調整と回転を上手にアジャストされています。さて、僕が注目したいのは、宮澤選手です。15枚目を出し気味に最大出ても7、8枚目までで返すライン取りです。彼は、本来の投球ですともっと深い曲がりを取れるボウラーですが、サイドローテーションを極力抑えて、縦方向にリフトワークしてボールの性能を信頼して投げています。縦方向の強い回転(約13〜15回転)で投球することが出来ると、ほとんどサイドローテーション無くしてもピン前ではボールは角度を変えてくれるのです。2.5°から5.5°の入射角を充分にクリアする事が出来れば、ストライクが取れるのです。ただ、それでも、縦方向過ぎると、早くロールアウトしてしまい、角度不足はタップになりますから、スピード調整が難しいとはいえるでしょう。決勝戦を見て、僕の下手なところと比較してみました。縦ロールの時には、サイドローテが足らなかったり取れすぎたり、ばらつきが多い。膨らまし加減の時の曲がり幅が少し大きくなる傾向があり、出しすぎてフッキングの出ないアウトサイドのオイルゾーンへの投球が出てしまう。結論としては、曲がりを抑える縦ロールの時の投球時にもっと一定したボールコントロール(回転、方向とも)が必要なのだと上位入賞者には教示していただけた大会でした。

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