From Master

師匠のひとりごと


Presented by "JエルBCの3"

このコーナーは?

ボウリングには理論がある!それぞれのボウラーが各々の理論を持っている。そして自分のボウリングをどこまで突き詰めても、更に新たなる課題がうまれる。そういった面白いスポーツがボウリングだ!
ここではトニオが小耳にはさんだ師匠のボウリング理論を紹介します。トニオが普段から目指しているボウリングの理論・スタイルそのものが、ここで紹介する師匠の”ひとりごと”なのです。

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その18 H14,7,1

トニオ君との出会いのころ(初心者への助言)

ストライク杯全国大会に出場して楽しいひとときをボウリング愛好者の人たちと過ごす事が出来ました。たまたま結果の方も思っても見ない準優勝と言う事で、「はにぃ君(LEX002)」には後塵を浴びせられてしまいましたが、僕自身の中では上出来の成績で喜んでいます。その懇親会場にて「師匠のひとりごと」のコラムをお待ちいただいている購読者が多くおいでになる事を知り、今回は初心者向けに原稿を書いてみようかなと、久しぶりにがんばってみます。

 彼(トニオ君)と出会って間もない頃には、嫌に頭を投げる瞬間にうごかすんだなあ、と、思い何故そんなに頭を動かすのかと尋ねた事がありました。PBA(アメリカのプロボウラー組織)に所属されるウォルターレイウィリアムスを真似ているとの事でした。誰かを真似することは大切な事だと思います。ただ、見よう見まねでフィニッシュ部分にのみイメージをして「実」を伴っていなかったので、あえて苦言を言いました。頭を動かす事でそのリフト効果を狙っているのでしょうが、それよりもスパットを見失ったり体がぶれたりする事でのコントロールの損失の方がおおきいですよ、と。
 MKボウル上賀茂ではその球速の表示が出ます。初対面の時点では、21〜22キロ程度の上級者男子の平均速度25キロ〜26キロには到底及ばないスローボールでした。回転も頭をガクッと振り上げる割にはたいした回転も無く(笑)おおよそ多い時で10回転。スイングも今よりはもう少し低い程度ではあるもののスイングが前々その球速に反映されない。手離れが良くないと言う事になりますか。曲げる為に回転(サイドローテイション)を与える時にはリフトワークをしないで投げる時より手離れは悪くなりますし、ストレートで投げる時より当然球速はダウンします。スイングのまま投げる事が出来ないのは、握力や腕力が不足している為に落としたくないと言う意識がはたらいてスイングを停めてしまうのです。スピードが欲しいボウラーは落としても良いのでスイングスピードのまま投げ切って欲しいです。練習によって後天的に回転や曲がりを付ける事は比較的容易ですから、僕は初心者であればあるほど形が出来る前にスピードをつけることを意識して欲しいです。
 スピードをあげる意識を持たなければ、一番良いタイミングでのリリースを望むことは出来ないからです。タイミングが合ってくるとそれだけでもスピードは上がってきます。少し高い目にアドレスをして出来る限り自然体で構える事をお奨めいたします。振り子の原理から考えると以前のコラムにも掲載したようにプッシュアウェーを大きく取る事でバックスイングが大きく取れ結果的に球速が上がるのです。
 漠然と投げる事で軸足(右利きの場合は左足)で止まる事が出来ずにバランスを崩してしまいます。軸足でしっかりと止まる事がアドレスからプッシュアウェー、ダウンスイング、バックスイング、フォロースルー&リリースまで、すべてのタイミングがあっている証拠なのです。こぢんまりと投げれば、おおよそ止まる事が出来ますが、スピードや後に伸ばそうとする回転力やライン取りに無理が出てきます。出来るだけダイナミックに投球しながらフォームを大きく取ろうとする事が完成した時のボウリングのダイナミックスに繋がるだけに最初が大切です。僕は、低いレベルで変にまとまった点数にこだわるよりも、少しぐらいその時点でのロースコアになっても先ずは大きなスイング軌道を取る事を最優先にと考えています。

 最近の傾向としてステップを小さくしてアプローチでの助走距離を小さくとり、走りこんでゆく勢いでの球速アップを狙わずにスイングでのそれを生かすようになってきています。というのは、僕の考えでは、後に曲がりを取れるようになった時にインサイドラインを取り易くする、また、スパットを近くで狙える事でコントロールミスを小さく出来ると言った長所があるからなのです。
 上記のようなことに注意して大きなボウリングを目指す事が、遠回りでも完成した時の達成感、ボウリングレベルの高さに繋がると思います。 注:必ずしも誰でもが、僕の理論に合う訳ではありません。握力や腕力、足腰の力、バランスが良くないと出来ない事がありますので、ボウリングだけの練習で克服できるわけではありませんので、必ず筋力トレーニングを併用して練習を進めてください。


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